2016年夏の果て、我々は陸別町のトマムという地域にいた。
名は同じだが「雲海テラス」でよく知られた星野リゾート トマム(占冠村)とは別の地域を指す。
トマムの語源を調べてみると、アイヌ語で「湿地のところ」を意味するという。
陸別町のトマムは国有林などの森林に囲われた盆地型で、畜産・酪農が盛んな農村地帯である。
土地が湿って盆地であるということは…
もしかすると風のない早朝、その湿度から低い高度に雲が発生し、盆地に留まる事によって幻想的な景色が見られるのではないか!?
そう、雲海だ。
トマムの名から連想し、安易な仮説を立て撮影の計画を練る。撮影時期を見はからい、しばし天気予報と睨めっこ。晴天・無風狙いでアタリを付け、この日!とばかりに深夜2時頃帯広を出発、夜明け前ギリギリの午前4時頃に現地へ到着した。
辺りは真っ暗闇…空を見上げると星が恐ろしく輝いている。
まるで星が降り落ちそうだ…、これも空気が澄んでいる証拠だろうか。さすがは「星の降る里」をキャッチコピーにする町である。
そして撮影の準備を進めながら、夜が明けるのをしばし待つ。
そこには想像をも超える絶景が!
期待していた雲海が本当に発生したのだ!
雲海の発生時間はごくわずか。まずはメインである動画の撮影から行った。次に写真撮影だ。その際に雲海は大分薄くなってしまったが、それでもなんとか記録に残す事ができた!
この辺りにカフェや展望台があれば、とても良い観光スポットになるだろうなぁ。
と、一人妄想にふけりながら帰路につく。
この記事を書いた人/平井